古民家に6年住んで思うこと。表裏一体のデメリット
家は実際に住んでみないとわからない
古民家に住みたいと思ったのは
かれこれ10年以上前でしょうか・・・
「古民家は美しい。どうせ買うなら美しいものがいい」
そんなシンプルな動機から古民家を求めたわけですが
実際に住んでみると、
やっぱり大変なことはたくさんあります。
(しかし!一人でも多くの人に、諦めずに住んでみていただきたい!)
暮らしてみて6年。
お~!そんなに経ったか・・・としみじみ思います。
考えれば考えるほど、いろいろ出てきますが、
まだまだリフォームを重ねなければ・・・
という楽しくも苦しい課題を目の前にして思うことを
簡単にまとめてみたいと思います。
自然素材:美しい!けど、手入れが不可欠
そうなのです。
ズボラには厳しい現実。。。ふふふ
虫などと遭遇する覚悟があるか
木。土。
これらが家の構成要素の大半を占めていると思います。
その他、紙、ワラ、石・・・とありますが、
「住む」ことを考えた時に
直接触れることになる部分に石はほぼゼロ。
石以外の家の部材は、水分を吸収する素材です。
人間にとって暮らしやすい素材であると同時に
他の生き物にとっても好都合な素材でしょう。
漆喰が剥がれている部分は、
ワラ縄が見えていたり、土が見えていたり…
団地やハイツに住んでいた頃には
考えられない状況が屋内にあります。笑
そうすると。
そもそも地面も近いし、隙間も多いし、
虫などなどがいるんですね…
もう少し、リフォームすれば、
(それと掃除の完成度を上げれば・・・!)
遭遇する率は減るかなあと思います(^^;)
リフォーム前は、
ヤモリちゃんも何度も屋内で見かけました。
ヤモリは別にきらいじゃないので良いのですが、
家の中で出口を見つけられずに死んでしまったり、
行方不明になってしまうのが怖い(涙)
天井から土が落ちてくる
そうそう。
天井より上に実はたっぷり土が載っているんでした。笑
普段見ないので忘れがちですが・・・
かなりの範囲で天井より上に土が載っています。
土が大量に乗っている理由として考えられるのは
- 平面の強度を上げる効果
- 断熱
- 雨漏りに備えた吸収体
というのが、何人かの専門知識のある人の回答。
でも、強風のときとか、
けっこう土が降ってくるわけです(><)
たぶん天井からだけではありませんが、
なので何だかいつも、土埃っぽい。
他の家ではあまり体験したことのない室内の汚れ。
やっぱり土の汚れだと思います。
ガッツリリフォームしたところは
土を降ろしてもらいましたが、
予算もなく、まだだいぶ残っています。
あ~どうしたものか。。。
大変だけど幸福感のほうが勝る
自然素材はデメリットもたくさんあります!
しかし!
他の人の家や、レストランなんかに行って
我が家を振り返って思うのは、
やっぱり自然素材は美しい。
根源的な力強い美しさを持っていると思います。
本物の木、本物の塗り壁などなどに慣れてしまうと
ビニルクロスなんかを取り入れようとは到底思えない。
プラスチックのドアとか、巾木とか…
全然好きになれる気がしない。
建具:美しい!けど、空調面・プライバシー&セキュリティ面でデメリット
格子、木枠、古いガラス・・・力強く静かな美しさ
古民家の美しさの重要な要素の1つは建具だと思います。
うちの座敷の障子↑
大体どの部屋にも何らかの建具がありますが、
やっぱり木枠の建具、格子・・・美しいです。
うちの式台玄関の建具↑
うちの雪見障子↑
今でもぼ~っと「うつくしいなあ」と眺めてしまいます。
ガラスも古いものは表面が歪んでいて
何とも言えないゆらぎがそこに見えます。
あのゆらゆら感。わかりますでしょうか?
最高です。笑
アルミサッシでは味わえない味わい深さ。
木枠というのがまた美しさに欠かせない要素。
空調面でのデメリット
しかし!
寒いんですね~笑
とにかく、まずは、寒い!!!笑
もちろん、建具ばかりが寒さの原因ではないのですが
隙間たっぷりなので・・・
しかもやっぱり1枚ガラスは寒いんですよね。
(↑外部に面している障子。ちゃんと閉めても1cmくらい隙間が!!一応建具屋さんに調整してもらいましたが、数ミリの隙間はほとんど全ての既存木製建具に存在しています)
当然、夏は暑さの影響をもろに受けます。
圧倒的に美しいとは言え、
毎日暮らしていく場所として考えた時に
果たしてこのままで良いのだろうか
という思いがふつふつと湧いてきます。
もはや冷暖房なしで暮らしていくのは難しい。
環境に配慮したいならなおさら、
今の建具のままでは良くないなあと思います。
我慢を強いるから、古民家で暮らせなくなり
古民家が捨てられていってしまうのだと思います。
「やっぱり『新しい家』は快適ね~」と。
それなら、古民家だって快適にしたら良い。
ただし。
そこに多少のトレードオフが生じるのは
やむを得ないこと。
快適さを手に入れようとした時、
古民家の持つ美しさは多少損なわれるでしょう。
それでも「そこで暮らしたい」と思うなら、
やはり美しさの犠牲もある程度仕方ないと
最近は思うようになりました。
セキュリティ面でのデメリット
既存建具のガラスは薄い上に単層で
従来型の木製建具は鍵の取り付けも困難。
一応施錠はできますが、
セキュリティ面で万全とは到底言えない。
初めは抵抗があったんですけどね。
周囲を高い塀で覆われていることもあって
塀さえ突破されなければ大丈夫だと思うようになり
塀を突破されたら、基本的にはオシマイだろうと。
・・・(^^;)
周囲からは完全に死角になるので
塀の中で何をしていても分かりません。
通常の施錠くらいだったら、
いくらでも侵入可能でしょう。
高い塀もメリット・デメリットありますね。。。
襖でプライバシーを守るのは難しい
基本的にこの家は、外周周りにしか壁がありません。
部屋を仕切るのは襖!
鍵がかけられないのはまあ良いとしても
プライバシーなんてあったもんじゃないです。
と言うのは言い過ぎかもしれませんが・・・
音は筒抜けだし、隙間もあるし。笑
やっぱり、人を泊めるのもその点では気を遣います。
まとめ
- 土。これは、天井上の土を降ろして、土の見えている部分を修理して、外部との隙間をなくせば、だいぶ改善するでしょうね♪
- 既存の木製建具。こればっかりは、非常に悩ましい。全部変えたら快適性は大いに向上するでしょうが・・・
- 襖。今後のリフォームでは壁を増やしていく方向で考えています!
古民家を残していくためにも、ある程度の改造はやむを得ないと私は思います。古民家が観賞するだけのものになってしまっては、残っていかないと思うからです。やはり活用していくことが、古民家を残していくためには不可欠だと考えます。
まだまだ、答えが出せない部分は多いですし、課題は山積。それでも、この情報がどなたかの参考になれば幸いです。
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