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古民家に6年住んで思うこと。表裏一体のデメリット

2018年7月16日

古民家に6年住んで思うこと

家は実際に住んでみないとわからない

古民家に住みたいと思ったのは

かれこれ10年以上前でしょうか・・・

 

「古民家は美しい。どうせ買うなら美しいものがいい」

 

そんなシンプルな動機から古民家を求めたわけですが

実際に住んでみると、

やっぱり大変なことはたくさんあります。

(しかし!一人でも多くの人に、諦めずに住んでみていただきたい!)

 

暮らしてみて6年。

お~!そんなに経ったか・・・としみじみ思います。

考えれば考えるほど、いろいろ出てきますが、

まだまだリフォームを重ねなければ・・・

という楽しくも苦しい課題を目の前にして思うことを

簡単にまとめてみたいと思います。

 


自然素材:美しい!けど、手入れが不可欠


そうなのです。

ズボラには厳しい現実。。。ふふふ

 

虫などと遭遇する覚悟があるか

木。土。

これらが家の構成要素の大半を占めていると思います。

 

その他、紙、ワラ、石・・・とありますが、

「住む」ことを考えた時に

直接触れることになる部分に石はほぼゼロ。

 

石以外の家の部材は、水分を吸収する素材です。

人間にとって暮らしやすい素材であると同時に

他の生き物にとっても好都合な素材でしょう。

 

漆喰が剥がれている部分は、

ワラ縄が見えていたり、土が見えていたり…

団地やハイツに住んでいた頃には

考えられない状況が屋内にあります。笑

 

そうすると。

そもそも地面も近いし、隙間も多いし、

虫などなどがいるんですね…

 

もう少し、リフォームすれば、

(それと掃除の完成度を上げれば・・・!)

遭遇する率は減るかなあと思います(^^;)

リフォーム前は、

ヤモリちゃんも何度も屋内で見かけました。

ヤモリは別にきらいじゃないので良いのですが、

家の中で出口を見つけられずに死んでしまったり、

行方不明になってしまうのが怖い(涙)

 

天井から土が落ちてくる

そうそう。

天井より上に実はたっぷり土が載っているんでした。笑

普段見ないので忘れがちですが・・・

古民家のツシ

かなりの範囲で天井より上に土が載っています。

土が大量に乗っている理由として考えられるのは

  • 平面の強度を上げる効果
  • 断熱
  • 雨漏りに備えた吸収体

というのが、何人かの専門知識のある人の回答。

 

でも、強風のときとか、

けっこう土が降ってくるわけです(><)

たぶん天井からだけではありませんが、

なので何だかいつも、土埃っぽい。

他の家ではあまり体験したことのない室内の汚れ。

やっぱり土の汚れだと思います。

 

ガッツリリフォームしたところは

土を降ろしてもらいましたが、

予算もなく、まだだいぶ残っています。

 

あ~どうしたものか。。。

 

大変だけど幸福感のほうが勝る

自然素材はデメリットもたくさんあります!

しかし!

他の人の家や、レストランなんかに行って

我が家を振り返って思うのは、

やっぱり自然素材は美しい。

根源的な力強い美しさを持っていると思います。

本物の木、本物の塗り壁などなどに慣れてしまうと

ビニルクロスなんかを取り入れようとは到底思えない。

プラスチックのドアとか、巾木とか…

全然好きになれる気がしない。

 


建具:美しい!けど、空調面・プライバシー&セキュリティ面でデメリット


格子、木枠、古いガラス・・・力強く静かな美しさ

古民家の美しさの重要な要素の1つは建具だと思います。

古民家座敷の書院

うちの座敷の障子↑

 

大体どの部屋にも何らかの建具がありますが、

やっぱり木枠の建具、格子・・・美しいです。

古民家の式台玄関

うちの式台玄関の建具↑

 

古民家の雪見障子

うちの雪見障子↑

 

今でもぼ~っと「うつくしいなあ」と眺めてしまいます。

ガラスも古いものは表面が歪んでいて

何とも言えないゆらぎがそこに見えます。

あのゆらゆら感。わかりますでしょうか?

最高です。笑

 

アルミサッシでは味わえない味わい深さ。

木枠というのがまた美しさに欠かせない要素。

 

空調面でのデメリット

しかし!

寒いんですね~笑

とにかく、まずは、寒い!!!笑

 

もちろん、建具ばかりが寒さの原因ではないのですが

隙間たっぷりなので・・・

しかもやっぱり1枚ガラスは寒いんですよね。

 

古民家の障子の隙間

(↑外部に面している障子。ちゃんと閉めても1cmくらい隙間が!!一応建具屋さんに調整してもらいましたが、数ミリの隙間はほとんど全ての既存木製建具に存在しています)

 

当然、夏は暑さの影響をもろに受けます。

 

圧倒的に美しいとは言え、

毎日暮らしていく場所として考えた時に

果たしてこのままで良いのだろうか

という思いがふつふつと湧いてきます。

 

もはや冷暖房なしで暮らしていくのは難しい。

環境に配慮したいならなおさら、

今の建具のままでは良くないなあと思います。

 

我慢を強いるから、古民家で暮らせなくなり

古民家が捨てられていってしまうのだと思います。

「やっぱり『新しい家』は快適ね~」と。

 

それなら、古民家だって快適にしたら良い。

ただし。

そこに多少のトレードオフが生じるのは

やむを得ないこと。

快適さを手に入れようとした時、

古民家の持つ美しさは多少損なわれるでしょう。

それでも「そこで暮らしたい」と思うなら、

やはり美しさの犠牲もある程度仕方ないと

最近は思うようになりました。

 

セキュリティ面でのデメリット

既存建具のガラスは薄い上に単層で

従来型の木製建具は鍵の取り付けも困難。

一応施錠はできますが、

セキュリティ面で万全とは到底言えない。

 

初めは抵抗があったんですけどね。

周囲を高い塀で覆われていることもあって

塀さえ突破されなければ大丈夫だと思うようになり

塀を突破されたら、基本的にはオシマイだろうと。

・・・(^^;)

周囲からは完全に死角になるので

塀の中で何をしていても分かりません。

通常の施錠くらいだったら、

いくらでも侵入可能でしょう。

 

高い塀もメリット・デメリットありますね。。。

 

襖でプライバシーを守るのは難しい

基本的にこの家は、外周周りにしか壁がありません。

部屋を仕切るのは襖!

4間続きの古民家

 

鍵がかけられないのはまあ良いとしても

プライバシーなんてあったもんじゃないです。

と言うのは言い過ぎかもしれませんが・・・

音は筒抜けだし、隙間もあるし。笑

やっぱり、人を泊めるのもその点では気を遣います。

 


まとめ


  1. 土。これは、天井上の土を降ろして、土の見えている部分を修理して、外部との隙間をなくせば、だいぶ改善するでしょうね♪
  2. 既存の木製建具。こればっかりは、非常に悩ましい。全部変えたら快適性は大いに向上するでしょうが・・・
  3. 襖。今後のリフォームでは壁を増やしていく方向で考えています!

 

古民家を残していくためにも、ある程度の改造はやむを得ないと私は思います。古民家が観賞するだけのものになってしまっては、残っていかないと思うからです。やはり活用していくことが、古民家を残していくためには不可欠だと考えます。

まだまだ、答えが出せない部分は多いですし、課題は山積。それでも、この情報がどなたかの参考になれば幸いです。