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手元だけ明るければ大丈夫。“陰翳礼讃”のスポットライト配置計画

2019年9月4日

手元だけ明るければ大丈夫。『陰翳礼讃』のスポットライト配置計画

品のある照明計画を目指して ~要所は明るく、濃淡でメリハリを~

雰囲気の良いレストランに行くと

テーブルの上は明るいけれど

椅子の辺りなんかはかなり暗かったりします。

それで良いんだと思います。

それがカッコいい。

それが美しいと思います。

…以前の記事でも書きましたが。↓

スポットライトのスゝメ

センスある照明計画を目指して ~方向性のあるライトを選ぼう~ スポットライトのすすめ

 


やはり陰翳礼讃


ここで『陰翳礼讃』を出すのは

分不相応な感じがしますが…やっぱり陰影礼賛!

 

部屋全体がのっぺりと明るい暮らしに慣れると、

陰影のある、光に濃淡のある部屋を「暗い」と言って

即座に部屋全体を明るくする方向に持っていこうとする…

人が多いようです。少なくとも私の周りでは。

 

『陰翳礼讃』は、美学の話だから、

実用性を重んじる人には通じないのかなあとも思います。

 


オーストラリアで気づいた心地よい照明


私は20年以上前に3ヶ月ほど

オーストラリアにホームステイをしたことがあります。

日本に帰ってきて、驚いたことは;

  1. 目に入る人みんな顔が平たくて髪の毛が黒い。
  2. 部屋がやたらと明るい。

1つ目は本題からそれるので詳細は割愛しますが

空港で出迎えてくれた両親の顔の平たさに

「あれ?こんなんだったっけ?」と驚いたものです…

(自分のことは棚に上げ・・・笑)

漫画『テルマエ・ロマエ』にもそんな描写があって

そうそう!と思ったのを思い出しました。

 

さて話がそれましたが、部屋がやたらと明るい問題。

オーストラリアの暮らしを基準にすると

日本の家の部屋…というか、

中流家庭である実家の部屋は

どの部屋も青白い蛍光灯が煌々として、

とても居心地が悪い感じがしました。

今でこそ青白い電球より「昼光色」のほうが

一般的になってきたかなあと思いますが、

昔は青白い蛍光灯ばっかりでした。

 

蛍光灯が煌々としている部屋というのは、

何とも無遠慮というか不風流…品がないと思います。

こんなことは海外に行かなければ、

まったく思い至らず生涯を終えたかもしれませんが、

とにかくそこに気づいてしまったのです。

 

色のことばかりになってしまいましたが、

海外と日本の照明の違いは、

明るさの濃淡を作るかどうかです。

それは多灯使いだからこそできるとも思います。

1

2

 


テーブルの上がきっちり明るくなる照明計画が良い


設計事務所さんからの提案も、

スポットライトの多灯使いでしたが、

紆余曲折あったものの、ダイニングテーブルの上には

ペンダントライトを設置する予定でした。

 

ペンダントライトって、見た目重視にすると、

明るさが心もとないものがけっこうあります。

なので、ここは、ペンダントライトに頼らなくても

テーブルの上の明るさが維持できるプランにしたい。

そのことを伝えて、計画変更をお願いし、

テーブル天板の上を照らせる位置を想定し、

スポットライトを追加で設置してもらいました。

これが大正解!!

手元だけ明るければ大丈夫。品のある照明計画を目指して「陰翳礼讃」

↑写真枠の一番上にあるスポットライトが追加したもの

 

ペンダントライトを点灯せずとも、テーブルの上が明るくなる照明計画が良い ペンダントライトを点灯せずとも、テーブルの上が明るくなる照明計画が良い

↑テーブルの上を照らすスポットライトを点灯(上)、消灯(下)。テーブル上の本の明るさで何となく違いがわかるでしょうか?

 

結局、超明るいシャンデリアにしてしまったので、

シャンデリアをつければ十分な明るさになりますが、

その電球が上を向いているせいか、

意外とテーブル天板上は明るくならなず、

テーブルで何かをするときには

天板を照らすスポットライトを点けるほうが快適です。

↓ご参考:電球が上向きの超明るいシャンデリア

迷走の上、失敗。照明計画って難しい

迷走の上、失敗。照明計画って難しい。ジノ・サルファッティ「MOD.2097」

 


まとめ


  1. 居心地のいい空間を作るために必要なのは、照明で明るさの濃淡を作ること。空間の雰囲気が一気にランクアップします。
  2. 薄暗い場所は必要ですが、テーブル、机の上はきっちり明るくなるようにしましょう。
  3. ペンダントライトは照度が不十分なものもあるので、スポットライトやダウンライトをあらかじめテーブルや机を照らす位置に設置しましょう。

 


久しぶりに「大作」が書けてほっとしました…。

本当は書きたいネタはたくさんあるんですが、

最近とにかく落ち着きません(涙)

たぶん、あと3年くらいは落ち着かないかも(^^;)