手元だけ明るければ大丈夫。“陰翳礼讃”のスポットライト配置計画
品のある照明計画を目指して ~要所は明るく、濃淡でメリハリを~
雰囲気の良いレストランに行くと
テーブルの上は明るいけれど
椅子の辺りなんかはかなり暗かったりします。
それで良いんだと思います。
それがカッコいい。
それが美しいと思います。
…以前の記事でも書きましたが。↓
やはり陰翳礼讃
ここで『陰翳礼讃』を出すのは
分不相応な感じがしますが…やっぱり陰影礼賛!
部屋全体がのっぺりと明るい暮らしに慣れると、
陰影のある、光に濃淡のある部屋を「暗い」と言って
即座に部屋全体を明るくする方向に持っていこうとする…
人が多いようです。少なくとも私の周りでは。
『陰翳礼讃』は、美学の話だから、
実用性を重んじる人には通じないのかなあとも思います。
オーストラリアで気づいた心地よい照明
私は20年以上前に3ヶ月ほど
オーストラリアにホームステイをしたことがあります。
日本に帰ってきて、驚いたことは;
- 目に入る人みんな顔が平たくて髪の毛が黒い。
- 部屋がやたらと明るい。
1つ目は本題からそれるので詳細は割愛しますが
空港で出迎えてくれた両親の顔の平たさに
「あれ?こんなんだったっけ?」と驚いたものです…
(自分のことは棚に上げ・・・笑)
漫画『テルマエ・ロマエ
そうそう!と思ったのを思い出しました。
さて話がそれましたが、部屋がやたらと明るい問題。
オーストラリアの暮らしを基準にすると
日本の家の部屋…というか、
中流家庭である実家の部屋は
どの部屋も青白い蛍光灯が煌々として、
とても居心地が悪い感じがしました。
今でこそ青白い電球より「昼光色」のほうが
一般的になってきたかなあと思いますが、
昔は青白い蛍光灯ばっかりでした。
蛍光灯が煌々としている部屋というのは、
何とも無遠慮というか不風流…品がないと思います。
こんなことは海外に行かなければ、
まったく思い至らず生涯を終えたかもしれませんが、
とにかくそこに気づいてしまったのです。
色のことばかりになってしまいましたが、
海外と日本の照明の違いは、
明るさの濃淡を作るかどうかです。
それは多灯使いだからこそできるとも思います。
テーブルの上がきっちり明るくなる照明計画が良い
設計事務所さんからの提案も、
スポットライトの多灯使いでしたが、
紆余曲折あったものの、ダイニングテーブルの上には
ペンダントライトを設置する予定でした。
ペンダントライトって、見た目重視にすると、
明るさが心もとないものがけっこうあります。
なので、ここは、ペンダントライトに頼らなくても
テーブルの上の明るさが維持できるプランにしたい。
そのことを伝えて、計画変更をお願いし、
テーブル天板の上を照らせる位置を想定し、
スポットライトを追加で設置してもらいました。
これが大正解!!
↑写真枠の一番上にあるスポットライトが追加したもの
↑テーブルの上を照らすスポットライトを点灯(上)、消灯(下)。テーブル上の本の明るさで何となく違いがわかるでしょうか?
結局、超明るいシャンデリアにしてしまったので、
シャンデリアをつければ十分な明るさになりますが、
その電球が上を向いているせいか、
意外とテーブル天板上は明るくならなず、
テーブルで何かをするときには
天板を照らすスポットライトを点けるほうが快適です。
↓ご参考:電球が上向きの超明るいシャンデリア
まとめ
- 居心地のいい空間を作るために必要なのは、照明で明るさの濃淡を作ること。空間の雰囲気が一気にランクアップします。
- 薄暗い場所は必要ですが、テーブル、机の上はきっちり明るくなるようにしましょう。
- ペンダントライトは照度が不十分なものもあるので、スポットライトやダウンライトをあらかじめテーブルや机を照らす位置に設置しましょう。
久しぶりに「大作」が書けてほっとしました…。
本当は書きたいネタはたくさんあるんですが、
最近とにかく落ち着きません(涙)
たぶん、あと3年くらいは落ち着かないかも(^^;)
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